12人の怒れる男

 うわぁぁぁ〜 おもしれぇぇぇ〜。陪審員となった12人の男が一室の中で少年の有罪無罪について延々とディスカッションするだけ。このプロット見てもまったくおもしろくなさそうなのに。なんなんでしょ、この惹き付けるものは。
 基本は推理ものでそれに陪審員という素材をかぶせることでお話の持つ力がうまい具合に増幅しているのかなと。有罪確定のドン底から無罪へと登りつめるサクセスストーリーのおもしろさ。ポイントごとに有罪無罪の投票結果を数字で示すところが話の進行をわかりやすくしている。12人の登場人物というのも普通なら多すぎなのだけど、当時のアメリカが抱えていた黒人問題や貧困問題などを登場人物にかぶせたりしてうまくキャラクター付けしているなと。この前番組の「映像の世紀」でこのあたりを扱っていたところはNHKの番組構成、粋なことするな〜w 
 あと日本語吹き替えの声優が上手かった。実はこの映画、大学で陪審員についての講義を受けたときに観たことあったり。そのときは字幕。ディスカッションものだけあってしゃべりがかなりの迫力だったのだけど、それに近いイメージを見事に再現しているなと。日本の俳優では声でここまで演出できないのが悲しいところ。
 それと、一室のみでの撮影ということでカメラワーク凝りまくり。画がたいくつにならないように俳優さん立ったり座ったり。苦労が感じられた。