明日のナージャ

 あ〜もうっ。完膚なきまでにどん底へ落としきった今回のお話の展開、うまいなぁ〜。前回までのお話でナージャ有利の状況をつくっておいて、今回でそれらがもろくも崩れ去る、この展開は定番なわけだけど、その内容が実にあざやかというか。それまでの状況設定を十分に使い切っているところが見事。特に黒バラとフランシスとヘルマンのからみとか。最後の1ピースがはまったような気持ちよさが。まだ最後じゃないけど。虚が実にとってかわる瞬間ってやっぱりおもしろい。
 あと気になったのは、ナージャの動機がいまひとつ不鮮明なこと。脚本的には”お母さんに会いたい”がメインなのだけど、フランシスといっしょになりたいというのもある。また、貴族になることをどうおもっているのか?このあたりの演出が不足がちなのが原因かと。まぁ、これだけのお話を展開させているのだから、そのひずみが出てくるのは仕方ないか。
 で、そろそろダンデライオン一座の出番かな? 旅芸人を最も蔑む者=プレミンジャー公爵との対決構造が浮かび上がってくるのだけど。今のところプレミンジャー公爵は完璧偏屈じじいという演出しかされていないわけだけど、そこに穴を穿つ心の脆さみたいなものの演出に注目したいところ。
 ところで、今回のナージャのように有利な条件を揃えて決戦にのぞみ、返り討ちにあってしまう展開って何かに似てる。そう、バトルもののお話。修行して新必殺技を身に付け、いざ決戦。「これでもくらえぇぇ!!」「そんな技でわたしを倒せるとおもったのか?(笑)」「なにぃ!?効いてねぇぇぇ!!」絶望。奈落の底へ。最近のバトルものはこんなに単純ではなくなってきてるけどw こうした脳筋っぽい展開よりは今回のナージャのような状況設定を使った展開の方が受け取るものが多いとあらためておもった。