ヤミと帽子と本の旅人

 終わってしまいましたが。毎回、いい話を持ってくるなぁと。脚本が高いレベルでまとまっていたのではないでしょうか。イブの神秘性がいい雰囲気を出していたのだけど、終わり2話でイブが実体を持って登場してきたシーンは、観たいけど観たくない部分だったかも。人類が月に降り立ったとき、月の神秘性は失われてしまった、みたいな。でも何かしらの答えを提示しなければならないわけで。それほど不満でもなかったりする。だったら言うな。
 このお話の構造は”時空を越えた恋人”ということで、これに分類されるお話は思い出せばいろいろ。タイムボカンシリーズとか(古っ! 過去にタイムスリップして恋した人の証が現代に戻ったときに残っているとか。そんなことは現実にありえるはずもないのだけど、なぜか素直に受け入れられて感動してしまう。死んでしまった人を想う時、後に残す人を想う時。そんな時に人が本能的に作り出した物語なのかも。ほんとうに力のある物語。