ナウシカ

 ひさしぶりに観たけど妙におもしろく感じられた。世界観が圧倒的。現実世界に影を落としている不安みたいなものをすごくうまい形で置き換えている。ご都合主義な作品で感じる違和感が極限まで削り落とされ磨き上げられ光沢をおびているような感じ。
 これだけ完成された世界だけど、二次創作やそれに類する世界の広がりみたいなものが無いのはどうしたことか?ちょっと考えてみる。まず、物語性が強い。いわゆるキャラクターものはキャラクター自身が一個の物語といえるのではないか。職業=キャラクターという場合が多く、再話しやすい。ナウシカの場合は彼女を取り巻く多くの人や唯一的な事件が彼女のキャラクターを作っているところがあるのでは。それゆえ、似て非なるものを切り取りにくい。量産型物語と手工業型物語の違いがこのあたりにあるのかも。つぎに萌えが足りない。表面的にはこれがいちばんなのかな。宮崎作品を壁紙に使うのは少数派という感じがするし。デザインは独創的で魅力あるのだけど、どことなくプレーンというかそれ自体の主張が控えめ。アニメーションがついて初めて魅力を発揮するところが多い。どちらかというと動き萌えなのでしょうね。自作アニメだと影響受けてるものが多いし。まだまだありそうだけど定義もあやふやなのでこのあたりで終了。